ロイヤルノート|ろくでもない知識をきみに。

ろくでもない知識をとにかくかき集めて、どこかの誰かのためにウェブの海へ放り投げているブログ

哲学者ニーチェが少女の恋愛相談にのったら。

 

※注※
これは哲学者ニーチェの基本的な考え方を、身近な人生相談にかけあわせて超絶シンプルに要約するパロディ記事です。
ニーチェの哲学を個人的な解釈で表現したものです。

---- INDEX ----

  SPONSORED LINK  

ニーチェについて 

恋に悩む、ある少女がいた。 

あぁ……部活のセンパイが好きなんだけど、告白できない……

その少女の横を通りかかる、とある哲学者がいた。

きみ、どうしたのかね?

ちょ、あなたは誰ですか?

怪しすぎる突然の声掛けにとまどう少女が尋ねると、哲学者は簡単な自己紹介をはじめた。

私はフリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ
1844~1900年に生きた、かな~りクセの強い、トガった哲学者だよ。
(まぁ哲学者なんてみんなクセ強いけどね)
牧師の生まれなんだけどね、隣人愛を説くキリスト教には大反対だ。
親友である作曲家ワーグナーの曲を愛していた。
のちに彼とは絶交してしまうんだがね。
私の渾身の著作『ツァラトゥストラかく語りき』は人類にとって最高の贈り物となったと自負している。
あ、ちなみに生涯独身だよ。恋人にはいつでも立候補してくれたまえ。

ひとしきりニーチェの自己紹介が終わると、少女は「とりあえずコイツは大丈夫そうだ」と思い相談を始めた。 

ルサンチマン 

f:id:vintraw:20161128205727j:plain

聞いてください。
私が好きなセンパイには、とても仲良しな女の子がいるんです。
とてもキレイで頭も良くて、学校のマドンナみたいな存在。
でも、まだ付き合ってないみたいですけど。 

世の中には才能や健康、力やお金に恵まれた強者がいる。

ふむ。その女性のことを、ぶっちゃけきみはどう思うかね?

ぶっちゃけですか?ぶっちゃけ、ずるいです。
家もお金持ちでたくさんお小遣いがあって、この前のセンパイの誕生日にすごく高い時計を買ってあげたみたい。
しかもおそろいのブランドで!

弱者は強者を「強欲だ、怖い、非情だ」などととらえ「悪」と決めつけ、嫌う

なるほど。その女性がズルいと、きみだけが言っているのかね?

いいえ、まわりのみんながそう言ってます!
「あの子はずるい、才能・健康・お金、なーんでも恵まれていて欲しいものがなんでも手に入る」って! 

人間社会は大多数の弱者と少数の強者で構成されている。 

私たちふつーの女の子は、お金もないし容姿もフツーだけど、みんな正直だし優しいし、恵まれた子と違ってイイコが多いもん!

弱者は自らを弱者=善と肯定し、弱者の心理こそ道徳だとする。
ニーチェはこれは『奴隷道徳』と揶揄している。

きみの気持ちはよくわかるよ。
しかし、厳しく言わせてもらえば、きみたちのその想いはルサンチマンだ。

ルサンチマン?あのお笑いの?

それはサンドウィッチマンだね。
伊達氏と富澤氏の実力派お笑いコンビの。
そうではなくて、ルサンチマン
優れた者に対し、弱者が持ってしまう憎悪の気持ち。
弱者こそが真の道徳だとし、強者を否定する逆恨み。
きみたちの想いは、優れた者を前にしてなんとか精神的優位に立とうとする、抵抗しようとする人間の生存本能だ。
あえて悪く言うなら『負け犬の遠吠え』でもあるけどね。

永劫回帰

f:id:vintraw:20161128210045j:plain

うぅ…それじゃあ私のただの逆恨みで、センパイにも恋するなってことですかぁ~(´;ω;`)  

いいや、決してそんなことはない。
まずは聞いてほしい。
すべての物事は流転していて、永久に繰り返されているものだと私は考えている。

くるくるまわってるって?

うん、くるくるまわってる。
永久に円を描いているのだよ。
きみの人生も、歴史も、世界も、地球も、宇宙もみんなね。
ただそこに、変化が存在するだけで。
これを永劫回帰と私は呼んでいるんだけどね。

なんかその話、すでにラッキーな人生の人はいいけど、つらい人生の人には救いがないような……

うん、実際、そのままでいたって幸せなんか訪れないよ。
まして「強者ずるーい」とか言って否定や批判ばかり繰り返していたって、幸せは向こうから勝手にやっては来ないんだ。

で、私はセンパイへの恋が叶わずに死んでいくと……。

まあ、今のままでは、そうなるでしょうな!

それじゃダメじゃないですか~(´;ω;`) 

超人

f:id:vintraw:20161128210218j:plain

だからこそ、そこでひねくれていてはいけないのだよ。
つらい現状だからこそ、それをどれだけ肯定できるかが大切なんだ。

でも世の中、さっき言ったみたいになんだかんだでお金もある、スタイルもいい、キレイで恵まれてる子が得をする。変わらない真実と現実があるじゃないですかっ 

どこにそんな真実があるって?
きみは既存の価値とか固定観念にとらわれず、自分自身の尺度を持つことができるんだ。
これこそ、永久にくるくるまわる永劫回帰に肯定的に向き合ったときにこそ生まれる、新しい世界だよ。

今までの考え方にとらわれて、否定ばっかりしてても意味ないじゃんってことかな?

そう、永劫回帰をいったん運命として受け入れる
そのうえで、きみは自分自身のあたらしいものの見方で、新しい価値を見つけ出す
そうやって人生を肯定的にとらえることができれば、もう何も恐れるものはないんだ。

ざっくり言っちゃうと、残念な現実を受け入れたうえで開き直れ!自分だけの価値観を持って堂々と生きろ!ってことだね?

そのとおり。
そしてその境地に達した者を私は超人と呼んでいる。
人を超えた、悩みをすべて超えた存在だ。
超人にはもはやルサンチマン(ひがみや逆恨みなどのねじまがった視点)が存在しない
そんな前向きでまっすぐな、堂々と自分の価値観を持つきみはきっと誰よりも強く、美しくなっているんじゃないかな?

そっかぁ~。
じゃあ、センパイとの恋も、恋敵のキレイさをただ「いいなぁ」なんて思ってないで「私にもいいところがある!」って強気になったほうがいいのかな。

なったほうがいい。
そして、自分の気持ちに嘘をつかずにまっすぐ進むといいさ。

わかった!
最初はものっすごい全否定されて落ち込んだけど、受けいれて、開き直る!
自分だけの価値観をもって、泣くんじゃなくてポジティブに進もうと思えた。

素晴らしい!
これできみの人生は、明るい未来が約束された。
すべてはきみ自身の価値観で。
真に自由な存在として、羽を広げて生きるといいよ。 

ありがとうね、ニーチェさん!

どういたしまして。
また迷うときは、いつでも相談してくれればいい。
とりあえずLINEでも交換しておく?

あ、大丈夫です!
Twitterで大丈夫です! 

あ、そ、そう?
じゃあTwitterで……。

Twitterのアカウントを交換して、ふたりはその場を立ち去った。

これが人生か、さらばもう一度……!

これが人生か、さらばもう一度
著書『ツァラトゥストラかく語りき』に出てくる言葉。
「人生はさんざんだ、もう一度やり直したい」
「素晴らしい人生だ、もう一度過ごしてみたい」
という正反対の2つの解釈が存在するおもしろい一節。

 

↓ニーチェ先生が自画自賛している『ツァラトゥストラかく語りき』