生涯賃金は3億円
私たち、日本の一般的な労働者が生涯で稼げる金額はある程度限界があります。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2006年)によれば…
生涯賃金
新卒から定年まで1企業に勤めた大卒サラリーマン:2億9450万円
転職をしている大卒サラリーマン:2億7590万円
となっています。
私なんかは30歳にして10回近く転職を繰り返したので、そのまま行くと生涯賃金は上記の調査例よりもっと少なくなるのでしょうね。
実際はフリーランスとして独立して生計を立てているので、この限りではありませんが…(大きく増える可能性もあるし、大きく下がる可能性もあるということです)
厚生労働省の調査をもとに考えれば、私たちのおおよその生涯賃金は3億円です。
所得税などの各種税金でざっくり2割ほどは持っていかれるので、ここから-6000万円。
老後に必要とされる一般的な貯蓄額として2000万円という数字があるので、ここからさらに-2000万円。
残りの2億2千万円をもって、私たちは結婚・マイホーム購入・子育て・レジャーなど人生に乗っかってくる各種費用を分配・負担していくことになります。
昔と比べて退職金が無くなったり、転職回数が増えたりなど雇用・労働環境に変化が起きているので2006年の調査よりもっと生涯賃金は下がってきているんじゃないかなあと推測しています。
固定費を削減して貯蓄を増やす
ではそんな目減りしていく私たちの生涯賃金の中で、いかにやりくりしていくかを考えないと、使いたいところにお金が使えなかったり、生活に不自由することになってしまいます。
お金を運用するにも安心して生活するにも、まずは貯蓄がその土台になります。
貯蓄をするためには、自分で可能な範囲からでかまいませんから、日々のお金の消費を抑える必要があります。
私が実際にやってみた費用の軽減を例として公開します。
一番大きく効いたのは、思い切って独り暮らしを辞め、実家に戻ったこと。
居住費という固定費を削減したことでした。
項目 | 節約前 | 節約後 |
居住費 | ¥100,000 都心で独り暮らし |
¥0 実家に戻った |
光熱費 | ¥9,000 内訳(電気5000+ガス2000+水道2000) |
¥7,000 オール電化・総額の半分負担 |
通信費 | ¥13,000 内訳(ネット5000+スマホ8000) |
¥5,000 内訳(ネット3500+格安スマホ1500) |
食費 | ¥40,000 外食中心 |
¥20,000 自炊中心 |
交遊費(職場関係) | ¥30,000 週に2回くらい |
¥10,000 月に3回くらい |
月々の総額 | ¥192,000 | ¥42,000(-15万円) |
実家に戻るのもひとつの手段
ひとりの空間が欲しくて、サラリーマンになった当初から独り暮らしを続けていました。通勤時間もなるべく少ないほうがいい、ストレスはなるべく減らしたいという気持ちで職場に近いところを探して住んでいました。
しかし、フリーランスになって2年ほど仕事をしてみると、何も東京都心に家をかまえなくても十分必要なことはすべてまかなえることに気づき、実家へ。
毎月10万円もする家賃を削減して、最も効率的な節約をすることができました。
光熱費
実家に戻るとそこはオール電化。
実際にかかる費用の半分を持つことになりましたが、元々独り暮らしの時に払っていた総額よりは安くなりました。
通信費
家にひいている光回線、これはマンションタイプより1000円~2000円ほど高いものがほとんどですが、こちらもまた総額の半分を負担することになったため結果としては以前より安い負担に。
何より効いたのはドコモ・au・ソフトバンクなど大手キャリアによる従来のスマホから、格安スマホ契約に切り替えたことです。
同等の速度でネット通信を使えるし通話も問題なし。
外食中心を切り替えて
独り暮らしで、なおかつ忙しく仕事をしていると外食に頼らざるを得ない状況になってきます。
家から準備をしていけなければ、ランチは当然職場近くの定食屋などで食べ、夜もくたびれているのでどこかで食べて帰るとか、総菜を買って帰るなど。いずれにせよ昼・夜ともにお金が出ていきます。
実家に戻ったことで、外食に頼る機会はぐっと減りました。
前はしかたなく外食を選択していたところが大きいですが、今は「たまには外食もいいね」と自らすすんで楽しみのために選ぶ、娯楽としての外食が中心となりました。
職場の無駄な飲みを減らす
フリーランスになって心から良かったと思ったことのひとつ。
それは職場の仲間との不要な飲み会を減らすことができたことです。
職場の人間関係を円滑にするためのコミュニケーションはあって良いものと思いますが、それはランチでもいいし職場でちょっと休憩がてらしゃべったりしたって全然いいわけです。
最初は効果的な飲み会も、数回目くらいにはもはやただの愚痴大会になっているのが関の山。
ネガティブな発言に共感しあって慰めあっているその時間を、家で自分を高めるために勉強したり、好きなことに時間を費やしたほうがよっぽど自分のタメになります。
毎月は少しでも、積もれば大きな金額になる節約
私の場合、月々15万円も節約することができました。30歳から60歳まで、30年間毎月15万円を節約したとしたらその総節約額は5400万円にも上ります。
2億2千万円ある生涯の手取りの中で5400万円は、相当大きい割合を占めていますよね。
この5400万円の節約があれば、年収500万円の人なら約10年間全く働かなくてもいいことになります。
節約できる環境は人それぞれで異なります。
どうしても自分には実現できない、といった部分もあるでしょう。
良くないのは、見直しを図らないでむやみやたらに消費してしまうこと。
見直してみることでほんの少しでも毎月の費用を減らすことができるかもしれません。
そしてまた、その月々の節約を少ないお金と思わないで、長期間続けた場合をイメージしてみると、その積もり積もった節約が大きな額となってやる気を引き出してくれるでしょう。