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57点のおじさんはダイエットを始めた

12歳で100万円貯めるための経済教育やお金の考えかた

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たった12歳で100万円も貯めた女の子がいます。

韓国の女の子で、2017年現在ではちょうど30歳くらい。12歳で100万円を貯めた彼女は、高校生の頃にはもうマンションを購入し、それをほかの人に貸して手に入る家賃収入を学費に充てていました。

そんな素晴らしい貯蓄のプロに女の子を育て上げた親の教育活動と、本人の行動がとても参考になったのでちょっとご紹介します。

きっかけは可愛い貯金箱

100万円貯めたその女の子の名前はエダミさん。

エダミさんはある日可愛い貯金箱を気に入ります。そしてその子に「ごはんをあげる」という意味合いでお金を入れることを楽しみはじめました。

この貯金箱と出逢ったことをきっかけに、その後エダミさんにはお金について学ぶ機会がたくさん訪れるようになります。

考えを指導してくれたのはその母親(ママ)でした。

お金とはなにかをまず教える

ママの手助けもあって数千円分くらいのお金が入った貯金箱を外で持ち歩いていたときのことです。

エダミさんがお金を持っていることが分かると、周りの同級生や通りすがりの人が「鉛筆を忘れちゃったから買いたい」「昨日から何も食べてないんです」などと声をかけてエダミさんからお金を貰います。

結局エダミさんの貯金箱の中はすっからかんになってしまいました。

「人助けができた!良いことができた!」とこの話をママにすると、エダミさんは怒られました。
ここでママはまず、お金とはなんなのかについてをわかりやすく教えています。

「これはただの紙に書かれた数字にすぎないわ。これは「一万」って書いてある。こっちは「千」、こっちには「百」。もしも数字がなかったら、単なる紙切れや金属のかたまりなの。ただの紙や金属に数字を書いて、一万ウォンにしよう、百ウォンにしよう、そう約束したものなのよ」

生活の中であたりまえのようにお金が使われているとつい忘れてしまいがちですが、たしかにその硬貨、その紙自体はそもそも価値を持っていません。

社会の中で「これはお金です」と認められて、さしだす人も受け取る人もそれがお金だと理解しているからこそ、初めて価値が定まって取引が成立します。

続けてママはエダミさんにこう言います。

「エダミが朝、みんなによく考えないでお金をあげてしまったことは、お金との約束を守っていないことになるの。お金をお金として使ったのではなく、ただの金属のかたまりとして使ったことになる。エダミがもしお金をお金として考えているのなら、そんな風に簡単にあげてしまったりするかしら」

持っていたものはお金だとわかっていた。けれど人にあげた時そのお金の価値は特に考えずにあげてしまった。これがよくないことだと指摘します。

つまりお金を使う時にはその価値をよく考え、大切に大切に使うべきだということを、エダミさんの失敗の局面に合わせて教えるのでした。

ものを大切に、お金は何かをして得られる対価、お金がお金を稼ぐ 

小学校で、まだ使っていない新品のクレヨンを持っている男の子から「ボロを使ってるぞ!」と、たった数回しか使っていないクレヨンを馬鹿にされてしまい、ママに新しいのを買ってほしいとダダをこねた時には「まだ使えるものを捨てて新しいものを買うこと、それはお金を損していること。 豊かな人はものを大切にしている」ということを学びます。

小学校の忘れものボックスに置かれたほかの子たちの忘れものを見た時、それがエダミさんには大切なお金と同等に見えました。

ものをなくさないようにすること、なくしたものを探し出すこと、これらもお金を稼ぐことと同じ。

自分の持ちものを愛して長く大切にすることはお金を稼ぐことと一緒、とエダミさんは幼い頃から理解するのでした。

さらに家のお手伝いをするごとにお小遣いをあげる制度も一時期ですが導入して、お金とは何もしなくたってもらえるなんてものではなくて、何かをしたことで得られる対価だということも学ばせます。

またエダミさん専用の銀行口座を作らせ、お金を預けさせていました。
そのときわずかながら利息がつき、その利息を見たエダミさんは「お金がお金を稼ぐことがあるんだ!」と幼いながらに気づきます。銀行にお金を預けるということは、銀行にお金を貸してあげること。貸してあげたお返しとしてちょっとお金が貰える。
つたない考えかたでも、経済活動の核心をついた部分に早くから気づき始めます。

節約・労働・運用を徹底すること

小学校2年生に進級した時点で15万円の貯金があり、それが小学校5年生になる頃には50万円まで増えていました。

それは全て、ここまでに学んできた「今あるものを大切にすること・何かをした対価でお金を得ること・お金にお金を稼がせること」つまり節約・労働・運用の3つをとにかくまっとうしただけ。

稼ぎ、増やし、使わない。これだけでたった11歳前後のエダミさんはすでに50万円を手に入れています。

 

商売をすること

ラストスパートはフリーマーケットです。

エダミさんは最初は路上で、次には自らホームページを立ち上げて、学校で名刺まで配ったりしながら「エダミのフリーマーケット」と名付けたホームページを使って、家にあるお古を売り始め、お金をつくっていきました。

つまり小学生にして商売を始めたということです。

インターネットフリーマーケットを始めてから、エダミさんの毎日は一変しました。

注文メールの対応をしたり、1日1回は必ず銀行に行って入金のチェックをしたり、商品の発送をしたりと大忙し。
この頃から時間の大切さも知ることになります。

またエダミさんがフリーマーケットでお古を売っている話を聞きつけた親戚中からは「ウチのお古でよかったらあげるよ」とちょうど捨て場に困っていたものを無料でもらえたりして、それをフリーマーケットで売ってさらにお金にする…という循環も生まれました。

お金を貸し借りするということ

ある日、親友のウンジニさんから「どうしてもアイドルのイベントに参加したいから2,000円貸して」とお願いされます。

お金のありがたみがちゃんとわかっていたエダミさんは、インターネットでしっかり調べて誓約書を作成、印鑑まで押させます。これにより必ずお金を返すこと、利子をちゃんとつけることを約束させて、適切にお金の貸し借りを終えることができました。

無事お金を返してもらったときに交わした会話に印象的なものがあります。ウンジニさんに「エダミはそんなにお金が好きなの?」と聞かれたときの応えです。

「そうね。わたしはお金が好き。お金があるから、特に欲しいものもないわ。銀行にあるお金のことを考えると、ほかに欲しいものがなくなるの。そのお金でわたしが欲しいものはみんな買うことができるじゃない。それは、欲しいものはも全部手に入ったのと同じよ。ウンジニにはきっと、この気持ちはわからないわ」

どうでしょう、 あなたにはエダミの気持ちがわかりますか?ちなみに昔の私だったらわかりません、貧乏だったし散財家だったので…。今は痛いほどにわかります。

お金を好きになること 

最終的にエダミさんは、ママからの月々のお小遣い、お手伝いをして得られるお小遣い、フリーマーケットの収入と銀行の利息で、小学6年生で100万円も貯金することができました。彼女が学校でスピーチを頼まれた時、「わたしはお金が大好きです!」という意見を堂々としゃべります。

その時エダミさんは2匹のライオンをたとえに出します。

ここにライオンが二匹いるとします。ライオンAはとてもおなかがすいていて、ライオンBはおなかがいっぱいです。二匹のうち、どちらが早くエサを見つけることができると思いますか?当然ライオンAですよね。
ライオンAは食べたいという気持ちが強いため、いっしょうけんめいエサをさがすでしょう。それと同じようにお金も、欲しいと思う人だけが手にすることができるのです。お金も自分を欲しがっている人のところに行きたいと思うのかもしれません。
みなさんも、お金持ちになりたければ、まずお金を好きになってみてください。

いかがでしょう。
小学生にこんなことを言われたら度肝を抜かれちゃいますよね。

しかし、どうも日本人はちょっとお金に対して悪いイメージを持ちすぎのところがあるようです。

きれいごともけっこうですが、実際に私たちの生活や経済はお金があって初めて成り立っています。お金を使っているから今日だって服を着てものを食べ、生きていられるわけです。がんばってお金を稼いでいるから使うお金があるのです。

お金は誰にも必要なもので、お金を欲しがることはなんら恥ずかしいことでも間違っていることでもないわけです。

お金とは信用と言い換えてもいいかもしれません。

悪いことをしてお金を稼ぐのはもってのほかですが、ひとのためや社会のため、何かのためにと働いた対価としてお金を稼ぐのであれば、そのお金が多ければ多いほどその人の行いや考えに信頼が置けるという見方ができます。

私事ですが、筆者も最近はまわりに堂々と「お金?好きだよ!」と宣言するようになりました笑
コトダマを発し始めてからは、以前よりお金の使いかたや管理のしかたが上手になったような気がします。

皆さんもぜひ自分に問いかけてみてください。
大切で貴重なお金、好きですか?

引用元は、書籍『12歳で100万円ためました!―本当のお金持ちになった女の子のお話』です。