どうして死なないといけないのだろう
ノルウェーの作家、アイリック・ニュート氏の大人気サイエンスシリーズ3部作が1冊にまとめられている本。
小学生にも読めるようとてもやさしく書かれていますが、その内容はとても専門的で奥深いものばかりです。
3つのサイエンスシリーズとは、『となりの星にE.T.はいるのか』『ぼくたちは、なぜ死ぬのか』『おもしろくて、おかしな数の話』。
『となりの星にE.Tはいるのか』では宇宙の誕生からはじまって、宇宙には地球人以外の生命体がいるのかいないのか?それを科学的根拠や幅広い知識で考察、解説してあります。
それももちろん子供にわかるようにやさしく丁寧な文章で。
わたしたちは宇宙人に会いたいと思っていて、わたしたちが宇宙に向けて送っている信号を受信して、こちらに気づいてくれないかななんて思っている。
そして地球に来てくれたらいいのになんてことも考えたりしているみたいだけど、いざそんなことが起こったとしたら、けっしていいことだけが予想できるとは限らないというのです。
いったい何が起こるのか!? 必見です。
学校ではまず習わない『死』というテーマについてもくわしく解説をしてくれます。
『死んだあと、なにが起きるのか』『幽霊はいるのか』などちょっとオカルトめいたことも…?
でも中身はとても科学的。知らない話がどっさり。
『永遠の命』にもスポットライトをあてますが、死なない命を手に入れてしまったら…さあ大変!わたしたちはもう二度と子どもを産めなくなってしまうというのです。
そのワクワクの解説はぜひ本書を読んでください。
わたしたちはどうして死ななくちゃいけないのか。
その答えが本書に。
『おもしろくて、おかしな数の話』には、学生のころに数学が苦手だったわたしの、数学への悪いイメージを払拭してくれるような楽しい話がたくさん書かれています。
カラスは4までは数字を数えられるんだって…!
6って、12ってスゴイんだね!
暗号の作りかたを指南…これでほんとに暗号がつくれる…。
わたしたちは、あいだに5人はさんで間接的に大統領と握手してるんだって!?
宇宙は広くて、世界はなんてせまいんだろう。
そんな正反対のようなことを思わせてくれる不思議で謎めいていて、でもかんたんでスラスラと読めちゃう科学の冒険ができる本です。
全編とおしていえる特徴は著者のワクワクとした気持ちが伝わってくること。
読み進めているうちに、いつのまにか読者もニュート氏と同じような気持ちになって、地球や宇宙、人間の不思議を実感してワクワクしてしまうはず。
ベタなSFフィクションの小説を読むよりは、このリアルな世界にあふれている不思議でびっくりな科学の話をニュート氏から教えてもらうほうが良さそうだなと思いました。
子どもにも読めますが、大人が読んでも驚きの連続。
各界でいくつも賞を受賞しているニュート氏の素敵な1冊です。
本の情報

サイエンス・クエスト 科学の冒険 宇宙の生命、死の意味、数の世界
- 作者: アイリック・ニュート,枇谷玲子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
目次
PART:1 となりの星にE.T.はいるのか
- いつから宇宙人がいると信じるようになったのか
- 生命って、なんなんだろう
- 生命はどうやって生まれたのか
- 地球の生きものの研究で、なにがわかるのか
- 太陽と太陽系から、なにを知ることができるか
- 太陽系のほかの生きものについて、わかっていること
- 地球以外の惑星について、わかっていること
- 太陽系外惑星の生きものについて、わかっていること
- 宇宙人はぼくたちを見つけられるのか
- 宇宙人は地球にきたことがあるのか
- 宇宙人はどんな姿をしているのか
- 宇宙人のからだはどんなものなのか
- 宇宙人の食べもの
- 宇宙人は子どもを産むのか
- 宇宙人にはどんな感覚があるのか
- 宇宙人と話はできるのか
- 宇宙人は人間より頭がいいのか
- どうしてぼくたちは宇宙人のことを知りたいのか
PART:2 ぼくたちは、なぜ死ぬのか
- 死とはなにか
- 死ぬ原因にはどんなものがあるのか
- 死ぬとからだのなかでなにが起きるのか
- 死ぬのはどんな感じなのか
- 人間に魂はあるのか
- 死んだあと、なにが起きるのか
- 幽霊はいるのか
- どうして死ぬのがこわいのか
- 死後の世界がなかったら
- ぼくたちは、永久に生きつづけられるのか
- べつの宇宙で生きている
- 永遠の命は必要なのか
PART:3 おもしろくて、おかしな数の話
- 5まで数えられないカラス
- エビを仲よくみんなで食べるには
- 秘密の暗号
- 二次元の世界に行ったら
- パイの秘密
- 一枚のお皿に秘められた無限
- 大統領と握手する
- コンピュータに使われている数字