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57点のおじさんはダイエットを始めた

写真のインスタグラム風加工をPhotoshop(フォトショ)で再現する

インスタグラム風加工とひとことで言っても、
インスタにはめちゃくちゃ豊富なフィルターが
数多く用意されています。

ここでは、

うすぼけた、ちょっと神秘的な雰囲気の写真

という感覚で表現したいと思います。
たとえば以下のような写真たちです。

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なんとなくニュアンスが伝わりますでしょうか。
今回はこういった雰囲気を再現する過程を紹介します。

細かい数値の設定は、元の写真に応じて
調節するといい具合になりそうです。

インスタグラム風加工の再現手法

ポイント

これから解説する工程。
それをシンプルにまとめると
3つのポイントから構成されます。

ドラマチック調整

黒の面積を増やしながら、
鮮やかさは適宜調整して力強い絵にする。

ノスタルジー調整

色調をほんのすこし「ブルー」寄りにする。

オールド調整

黒い部分を、少しだけ淡くトーンアップする。
必要なら四隅はやや暗くする。

この3点を意識した簡単なステップをふむことで
だいたいどんな写真も
まぁまぁそれっぽいニュアンスになるような気がします。

仕上がりサンプル①標準的な写真

それでは実際にサンプルを使って加工していきます。

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こちらが元写真です。
配色も鮮やかさもコントラストも
すべてが平均的な『ふつうの写真』といったものが
対象になります。
そして加工を施した仕上がりが、以下です。

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並べて比較すると、↓こんな感じ。

f:id:vintraw:20181005181912j:plain

ちょっと独特なフィルターの雰囲気が
出ている感じがしませんか。

では、加工工程を説明します。

やることは最大で5工程です。

STEP1:ドラマチック調整

まずは写真に『黒』の部分を足してあげて、
ドラマチックな深みを持たせます。

1.イメージ 〉 色調調整 〉トーンカーブ

f:id:vintraw:20181005182437j:plain

トーンの左下側(黒のほう)の端っこをつかんで
右へスライドします。

これで写真の暗い部分が
さらに濃く、強く強調されます。
元写真の色味次第で必要な量が変わります。
適宜調節しましょう。

また、この操作に引っ張られて
明るい階調も少し暗くなってしまいます。
むしろそれでOKな写真もありますが、
今使っているサンプルは
少し全体が暗くなってしまったので
右上側を元の位置に調整しています。

2.イメージ 〉 色調調整 〉色相・彩度

元写真によりますが、
必要に応じて彩度も調節するといい感じです。

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本サンプルは、彩度を上げるパターンも
下げるパターンも
どちらも魅力的になりそうでした。
なんとなく、ちょっと上げる方向にしておきました。

ここらへんは加工者である
あなたのお好みで調整してみてください。

STEP2:ノスタルジー調整

写真の持つ色味・カラーを少しだけ
『青寄り』にかたむけて
少し哀愁ただよう、渋いイメージに近づけます。

3.イメージ 〉 色調調整 〉カラーバランス

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ここで3つあるカラーレベルのうち
左の2つをマイナス補正。
右の1つをプラス補正にします。
すると、あまりその他の色に影響を与えることなく
ブルーを全体に優しくプラスできます。

ここもまたお好みで、
好きな色味に加工してみてもおもしろいでしょう。

STEP3:オールド調整

ここまで加工した写真は、
まだクッキリ・はっきりとしていて
とても新鮮な力強さに満ちています。

ここからちょっとオールドな雰囲気をプラスして
優しい見た目に変化させます。

4.イメージ 〉 色調調整 〉露光量

きっとたぶん、この加工が
全行程のなかの一番のミソです。
強調しておいた黒が優しくなります。

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ここで真ん中の『オフセット』を調整します。
元写真に応じて、数値は変えてください。

0.02~0.05のあいだくらいがベストでしょう。

5.レイヤー 〉レイヤースタイル 〉光彩(内側)

写真によっては画面の端から中央まで
すべてがのっぺりとした印象になってしまうことも。

そこでこのレイヤースタイル『光彩(内側)』を使い
写真の外側を少し焼きます。 

※ここで写真のレイヤーが
『背景レイヤー』になってるとスタイルが適用できません。
『レイヤー0』などに変更しておきましょう。

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描画モード:焼き込み(リニア)
不透明度:お好みで(サンプルでは15%)
サイズ:お好みで(サンプルでは84px)

描画モードを焼き込みにして、
不透明度とサイズを調整すると写真の端っこが
少し焼けたように色が濃くなります。

不透明度とサイズのバランスは
プレビューで様子を見ながら調整してみてください。

これで完成です。

仕上がりサンプル②黒が多い写真

元から黒が多い写真のパターンです。

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この場合、工程1のトーンカーブで
黒を強調するとむしろやりすぎになります。
真っ暗になります。
そうゆう時はあえてトーンはいじりません。

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まぁ、なかなか微々たる変化ですね(笑)
全体が元々ほぼ黒な写真は、適用が難しいところです。

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わたしは控えめにしてしまいましたが、
こうゆう時はもっと大胆に
オフセットを上げてみてもいいかもしれません。
全体を覆う『黒』が印象を変えますよ。

仕上がりサンプル③黒があまりない明るい写真

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次は、逆に黒がほぼない元写真です。

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全体的にのっぺりしていたので、
こちらは彩度を大胆に上げています。
もう少しオフセット調整で、黒を薄くしても良かったかもです。

仕上がりサンプル④黄色と赤っぽい写真

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もともといい雰囲気の写真です。
インスタ風加工を試してみると。

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また違った味を出せました。
解説どおり『ブルー』を強調しているのですが、
それによって他の配色(黄色や赤)が
決して消えてしまわないところがこの加工術のポイントです。

仕上がりサンプル⑤ブルーのある写真

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学生のリボンとカーディガンが紺色です。
もともと青の存在する写真に対し
今回の加工術で雰囲気を変更します。

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窓をたたく雨。
曇り空が似合うような、
青く切ない色味に寄ったかなという印象です。

このサンプルの場合、
トーンカーブはいじりませんでした。
理由は、黒を強調すると髪・リボン・カーディガンの
わずかに残された繊細な濃淡が
つぶれてしまったからです。

黒くつぶれてしまった写真を
オフセット加工で白く仕上げても、
なんとも味気ない写真になってしまったので、
元写真に応じて『やること・やらないこと』を
見極めるのも加工の楽しみのひとつになるかと思います。

仕上がりサンプル⑥黒強調と彩度アップを存分に

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この写真は黒い部分が少なく、
男性が着ているタキシードはもともと黒で濃淡もないので
1.黒強調+4.オフセット加工で雰囲気が出せることは確定してたので、
2.彩度アップもまあまあ大胆に調整させてもらいました。

また、あえて3.ブルー寄せは省きました。

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ふたりを包む緑たちを充分に鮮やかにしつつ、
ちょっぴりオールドをプラスした感じです。

ブルー寄せを省いており、白いウェディングドレスは
まったくの純白なままですね。
次と比較するとおもしろいです。

仕上がりサンプル⑦黒強調とブルー寄せを存分に

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同じウェディングでも、
こちらにはまったく『黒』がいませんね。
いっこ前のサンプルと比較させるために
こちらを引っ張ってきました。

黒強調とブルー寄せを大胆に調整かけてみます。

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白いテーブルクロスや白いウェディングドレスに
クールなブルー味が付加され、
元写真とはまた違った雰囲気が出ました。

まとめ

ポイントは3つ。やる工程は最大5つです。

ポイント3つ
  1. ドラマチック調整
  2. ノスタルジー調整
  3. オールド調整
工程5つ
  1. トーンカーブで黒強調
  2. 彩度で彩度アップ
  3. カラーバランスでブルー寄せ
  4. 露光量のオフセットで黒を優しく
  5. レイヤースタイルの光彩(内側)で周りを焼く

いくつか作例を載せたように、
元写真によってやるべきこと、やらないこと、
そしてやるべき加工のボリュームが異なりました。

5つの工程をお好みで調整しつつ、
あなたのイメージした雰囲気へ持っていけると
楽しいかと思います。
ぜひご活用ください。