脳内補完には気をつけよう
───そう、それはよくあること。
頭の中のなんとなくのイメージでつい過ちを犯してしまうことってありますよね。
今回のぼくのケースでは、以下のような流れでお茶を購入。
ここに脳内補完によるミスが発生するメカニズムが隠れていたのです。
- 今の季節といえば新茶だな!新茶の「お~いお茶」を買おう!
- 新茶といえば「数量限定」だよね!
- 数量限定といえば限定パッケージだよね!
これを、実際に1,000円のお茶を手にしたときの脳内補完で書き起こすと以下の感じ。
- 「新茶」って書いてあるから間違いなく目的のブツである!
- 「数量限定」って書いてあるから間違いなく目的のブツである!
- なぜかガラス瓶で売られている…!いやしかし、これが昨今の数量限定モノのアドバンテージというやつか!伊藤園やるなあ~!(コーラもラムネも、昔ビンだったしね)
───と、何の疑いもなくお会計へと進んだわけです。
そしてレジのお姉さんが提示した金額が、
1,080円
もうね、おじさん衝撃。
ファンタスティックビースト。
ドリンク陳列棚にまぎれこんだ暴れん坊将軍ですよコイツは。
この後くら寿司でランチ食べるために使おうと思っていた1,080円がッポーンとイトーヨーカドーのレジに格納されちゃったよ!
さよなら、わたしの熟成まぐろ2貫たち…。
───で、どうせならノーマルな「お~いお茶・新茶」と飲み比べてやろうじゃないか…!というささやかなる抵抗を思いついたのです。
パッケージを比較
これがわたしの財布の野口英世をひとくちで丸のみした暴れん坊、ビン入りの高級「お~いお茶・新茶」
以下写真すべてOLYMPUS PEN E-PL9、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8
いっぽう、↓こちらはきわめてノーマルな、お財布に優しい優等生「お~いお茶・新茶」
ままま、せっかくなんでおふたりツーショットで記念撮影でもどうぞー!
はい笑ってぇ!(わたしは笑えない)
しかしていったい、何がそんな違うというのだろう?
値段の差を出しているのはどこだろう?
パッケージを細かく見てみることに。
こっ…このシャレた包み…!これが値段をハネ上げて──ッ
るわけないよね。
原材料に秘密が?
いやそんなことはなく、お茶そのものとよくはいっている酸化防止剤としてのビタミンCのみです。
いたって普通ですね。
むしろ内容量が500mlだと思って買ってるのに実は375mlっていうね。
んっ?
「ゆたかみどり」とは…?
わざわざ「稀少品種」と書かれうやうやしく説明が付されている「ゆたかみどり」にカラクリがあるのではないだろうか。
そう思い、 パッケージの表をじっくりと見てみる。
───すると!
やはり名前の横に、堂々と、ハッキリと固有名詞で書かれている稀少品種「ゆたかみどり」!
───これだ!
きっと通常の「お~いお茶・新茶」は……
国産新茶100%───
なるほど、どうやらこの900円(税別)の差分は「ゆたかみどり」にあったのか…。
どちらも期間限定でありながら、かたや100円でかたや1,000円!
しかも張り合った相手は「国産新茶100%」と十分ありがたそうな相手である!
なんという高給取りであるか、「ゆたかみどり」よ。
味と香りを比較
いよいよお楽しみ実食タイム。
両方をうつわに淹れて、準備万端!
左が100円のノーマル。右が1,000円の暴れん坊「ゆたかみどり」
色味と透明度が違いました。
ノーマルに比べ、高級なほうはもう一段ほど高い透明度を見せてくれました。
上から見ると、ほうらこんなに差がー!!
って逆にわからなくなったね(;'∀')
じゃあとりあえず気を取り直して、
実食!!!
そのお味は───
こっ…これは…!!!
差がわからねえ!!!
舌が貧乏だからでしょうか、わたしには全然差がわかりませんでした。
違いのわからない男、おじさんプライム。
それじゃあさすがにマズいよねと思い、ヨメ・プライムにちゃんと味を見てもらうことに。
飲み始めの最初から、飲み終えたあとの余韻にいたるまで、ずっとお茶本来の苦みが続いているね。
ふつうのほうは苦みがなくて飲みやすい印象かな。
なるほど…そんな差がありましたか。
ちなみにわたしにも香りの差は、けっこうわかりました。
当然ながら1,000円のほうが薫り高いです。
特に、コップに注いでしまうよりもビン(またはペットボトル)本体の口から直接香りを確かめてみると、差がわかりますね。
結論:ゆたかみどりに出逢えた
今回の件、一周回って感謝しかないです。
なぜなら、たとえ思い切った値段設定であっても、商品化してくれなかったらわたしは「ゆたかみどり」の存在に気づくことすらできなかったのです。
そして実際に間違って買わなければ、この稀少品種でこしらえたガチなお茶をこの舌で楽しむこともできなかった…。
一般庶民のおじさんにとっちゃ、めったに買うもんでも飲むもんでもないのは確かだけれど、この風味に舌が出逢えただけでも1,000円以上の価値があったんじゃないかな、と思うわけです。
ありがとう「ゆたかみどり」。
ありがとう伊藤園。